竜舌蘭の開花
〜100年に一度咲く花〜

(1999/7/15)

『神秘の花 リュウゼツラン』

  〜100年に一度咲く花 ?!〜

総合文化科学課程自然誌専修
  稲場正広


理科1号棟吉備塚付近に植えられているリュウゼツランは、5月以来、巨大な花茎(太い茎)をぐんぐん伸ばし続け、7月28日、ついに、開花を始めました。アスパラガスやジャックと豆の木を連想させるこのリュウゼツランは、正式にはアオノリュウゼツラン(Agave americana)と呼ばれ、ユリ目リュウゼツラン科の単子葉植物です。

英語ではセンチュリー・プラントと呼ばれ一世紀に一度だけ花が咲いて枯れてしまうといわれています。しかし、実際には、熱帯地域では10〜20年、日本では30〜60年で開花するようです。奈良教育大学のリュウゼツランは、およそ30年前に大学の高橋先生(化学教室)が植えられたもので、今年初めて花をつけました。

昨年の暮れあたりから下の方の葉が枯れ始めていましたが、これは、長い年月をかけて巨大なサイズにまで栄養成長(葉に栄養を蓄積)してから、葉に蓄積した栄養分を生殖成長(花茎を伸ばし花をつける)に一気に転じたためです。また、リュウゼツランは一回結実性植物のため、花は一生に一度しか咲きません。そして、一度の開花でこの株は枯れてしまいます。

葉はアロエのように多肉質で、鋭いとげがあり、1〜2mもの長さがあります。日本では、葉の形を竜の舌に例えたところから、竜舌蘭と書かれますが、この植物を目の前にすると、その名にふさわしく、まさに竜の舌を実感できることでしょう。原産は北アメリカ南西部メキシコで、葉の基部から蒸留してつくるメスカル(Agave azul tequilanaのテキーラ)といった人気のあるアルコール飲料があります。

5月27日以来、毎日、花茎(太い茎)の高さを測定していましたが、一日におよそ10cmもの勢いで伸び続け、7月25日で、高さ7m6cm(max)に達しました。これは、理科棟3階の廊下付近の高さに相当します。つぼみが膨らみ、開花したリュウゼツランの花(花被片)は薄黄緑色で、花の中央付近から伸びている黄色のおしべの葯がよく目立ちます。おしべが枯れ始める頃に、クリーム色のめしべが伸び始めるのも特徴の一つです。花の中を覗いてみると、そこには、たくさんの蜜があふれていました。原産地では、コウモリによって、受粉させられるようです。花は7月28日から8月中旬にかけて、下の方から順に咲いていきました。一日に、100人以上の方々が来られ、さまざまな感想も書いていただきました。これからは、果実の時期です。人工受粉(他家受粉)させた花は結実するのでしょうか。

大空へ、天高く、直立するリュウゼツラン。生命力あふれるリュウゼツラン。この植物の持つ生命力や神秘を是非ご覧下さい。



Photo: taken by a Yomiuri Newspaper reporter (1999/7/9)


↑さらに、竜舌蘭に関して詳しく知りたい方は、上の写真をクリックしてください。



Graph: drawn by Masahiro Inaba (1999/7/25)





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